イタリアの子育て事情イタリア人のお友達と、頼まれて保育所でスピーチをしました。 その時の記録です。 イタリアの子育てについて 2007/12/13 1:はじめに はじめまして。彼女はイタリア人です。 私は彼女の話を日本語でお話させて頂きます。 今から話す内容は、イタリアのお母さんと日本のお母さんの違いについてです。 もちろん、お母さんも一人一人皆違っていますので、必ずしもこれが全てのイタリアのお母さんの事ではありません。 主な違いについて、だと思ってくださいね。 2:食事 まず始めに、イタリアの離乳食について、ご紹介します。 基本的に、離乳食の後にはミルクやおっぱいを与えません。 日本では、たっぷりをあげますよね。 5ヶ月から、1日1回お昼ご飯の時だけ、離乳食にします。 まずは果物でスタートします。すりおろしたりんご、梨、つぶしたバナナを与えます。 1週間後、玉ねぎ、人参、ジャガイモをコンソメと水で1時間煮込みます。 野菜はとりのぞき、甘みづけにタピオカ、とろみづけにトウモロコシの粉を加えます。 1週間後に、スープと一緒に野菜もつぶしてあげます。 さらに1週間後、「オモジネーザ・ディ・カルネ」をスープに加えます。「オモジネーザ」は加工品という意味で、「カルネ」はお肉です。 ドラッグストアで売っているベビーフードでお肉の加工品です。肉を長時間茹でてつぶしたものです。 40グラム容器入りで売っています。 日本とは違って、早い段階からお肉を食べるんですね。 日本では白身魚が先ですが・・。これも食文化の違いからくるのでしょう。 6ヶ月から、1日2回離乳食になります。 7ヶ月から、お魚のスタートです。 魚も肉と同じようにベビーフード用の加工品を使います。 パスタも始まります。パスタも小さい子供用のものを買います。 イタリアでは、ベビーフードは全部買います。 お店には、何でも子供用が売っているそうです。子供用の水、子供用のオリーブオイル、など等。便利ですね。 ミルク以外の赤ちゃんの飲み物は、水、カモミールティーだけです。 日本では、麦茶を飲ませますが、イタリアではお茶と言えば紅茶なのでカフェインが入っているため、与えません。 また、意外なことにトマトは1歳を過ぎるまではあげません。 トマトアレルギーがとても多いんだそうです。 トマトの国のイメージなのに意外ですね。日本ではわりと早い段階であげていると思いますが・・。どうでしょうか。 1歳過ぎてからあげる、子供用のトマトソースパスタのレシピをここでご紹介します。 1.人参、玉ねぎをオリーブオイルで炒めます 2.缶のカットトマトを入れます。20分間弱火でことこと煮込みます。塩少々で味付けをします。 3.ゆでたパスタを入れます。長いパスタを使う場合、調理した後にキッチンバサミで切るそうです。便利そうですね。 3:睡眠 次に、子供の睡眠についてご紹介します。 日本で大きく違うところは新生児の時から子供部屋にベビーベッドで一人で寝かすことです。 添い寝はとても危険で悪いことだと考えられています。 寝ている間に子供を押しつぶしてしまったり、ベッドから落としてしまったりしてはいけないからです。 日本でも赤ちゃんが小さい間は、危険防止の為にベビーベッドに寝かせますが、時々お母さんが同じ部屋で寝て、お父さんは別の部屋で寝たりしますよね。 それはイタリアではありえないそうです。 夫婦が別々の部屋で寝るのは、離婚した人だけで、父と母としてだけではなく、夫婦ということを忘れてはいけないという考え方です。 夫婦間のプライバシーも必要だし、夫婦としての時間も尊重するそうです。 1日中、子供のことだけで終ってしまうのではなく、夜は夫婦の時間、と区別しているそうです。 子供も独立心が養われます。 週末は子供がいても、おばあちゃんに預けたりして夫婦で映画を見に行ったり、食事に出かけたりします。うらやましいですね。 日本では、完全にお父さんとお母さんだけになりがちですものね。 夫婦としての時間も、たまには必要ですよね。 4:出産後の母親の仕事復帰と教育について 産後3~6ヶ月でお母さんは仕事に復帰します。 ほぼ100%お母さんは、仕事に復帰します。 理由は、まずイタリアでは失業率がとても高いので、一度辞めてしまうと、次の仕事が見つけられないというのがひとつ。 片方だけが働くのは家計も苦しいそうです。 もし離婚してしまったら、生きていけなくなりますから、自立の為にも仕事は辞められないのです。 保育園は日本と同様高いですが、0~3歳までの子供はほとんど行きます。 またはおばあちゃんにみてもらいます。 日本と同じように私立と公立の保育園があります。 3~6歳までは幼稚園に行きます。幼稚園は義務教育で無料です。 驚いたことに、学校は大学まで全部無料です。 大学だけは親の収入に応じて税金を払います。中学校からは教科書は有料です。 教育に関しては日本よりはるかにお金がかかりません。 ベビー用品や子供服に関しては、イタリアでは高いものしかないのでその点では日本よりお金がかかるそうです。 日本では安いものから高いものまで選べるのでいいんですね。 話がそれましたが、放課後は、学校に日本で言う学童保育のようなものがあって専門の先生がいるので、 親が帰ってくるまでそこで過ごします。 労働時間は7~8時間で残業は存在しません。 イタリアの会社は残業代を払いたくないからです。 みんな夕食時には家に帰って揃って食事をします。 だから共働きが可能だし必要なんですね。 働きづめの日本人には羨ましい話です。 5:妊娠、出産 妊婦検診は、エコー3回まで無料です。 それで、ほぼ十分だそうです。 もっと見たかったらそれ以上は有料になります。4DとかDVDも病院によってはありますが、そちらも有料です。 出産費用も無料です。 普通分娩は3日間で退院。帝王切開は5日間で退院します。 早いようですが、日本では入院中におっぱいケアや、授乳、沐浴指導などを受けますね。 イタリアでは入院中それらは一切ないそうです。 全部、妊娠中に母親教室で習います。それらも公立の施設にて無料で受けられます。 大体5回~6回教室に通うそうです。 日本でも妊娠、出産が無料で受けられれば、現在のような色々な問題は起きないでしょうね。羨ましいですね。 立会い出産は、ほぼ90%のご主人がするそうです。 それがあたりまえで立会い出産を断るような病院はないそうです。 6:おわりに 子育ての制度について、日本よりお金がかからなくて良いように思えますが、 背景には日本より遥かに失業者が多いという現状もあります。 日本の方が恵まれている面もあると思います。 今ご紹介した内容は、ただ違いを紹介しただけで、日本もイタリアもどちらがより良いという訳ではありません。 これは、単に文化の違いということだけです。 大切なのは子供達が幸せで健康であることです。 ジャンル別一覧
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